【サッカー】ロングスロー用のタオルとは? J1町田が批判される理由

スポーツ

この記事では

ロングスロ―の際に利用されるタオルについての物議」や、

J1町田に批判の声があがっているのはなぜか」という点について、お伝えします。

ロングスローでタオルを利用する

ロングスローとは

サッカーは決められたラインの中でプレーをするゲームですが、試合中にボールがラインの外に出ることがあります。

サッカーコートの長い方のライン(長方形の長い辺)を「タッチライン」といいいます。

このタッチラインをボールが超えたとき、最後にボールに触れていた選手の相手チームにボールが渡り、試合再開となるというルールがあります。

これを「スローイン」といいます。

スローインをする人を「スローワー」といい、スローワーは両手でボールを投げ入れて試合再開します。

両手で投げるのでそんなに遠くまで飛びません。

ところが、助走をつけて身体全体をバネにして大きくボールを投げ入れると遠く高く飛ばすことができます。

これをロングスローといいます。

投げ入れる瞬間に両足が地面についていること、や、ラインは踏んでもいいが超えてはならないなどのルールもあるので、助走をつけたロングスローは練習を積まないと難しい技になります。

かなり体に負荷もかかるそうです。

ロングスローが与える影響

通常選手の足元にボールが投げ入れられるスローインと違い、ロングスローは選手たちが多く集まっている頭上に投げ入れることが可能です。

ロングスローが得意な選手は30メーターから40メーターを投げることもできてしまうので、どこまでボールが飛んでくるか読めません。

蹴り入れた球と違って球速が遅いので、風などの影響を受けやすくどこに落ちるか予測しにくいこともあります。

ヘディングなどで合わせていくことも難しい上に、ヘディング後のボールが思った方向にいかないことも多いため、こぼれ球からプレーが再開するようなことも多くなります。

このロングスローはプロの世界ではあまり使われてこなかったプレーなので、多くの選手が「やりにくい」と感じるそうです。

これを逆手にとってロングスローを強みとするチームが出現したため、対戦相手は調子が崩れてしまったりイラッとしたりしているかもしれません。

ロングスローの際にタオルでボールを拭く

ロングスローを得意とするのがFC町田ゼルビアです。

町田の選手はロングスローをするときにピッチの外にあらかじめ置いておいたタオルでボールを拭きます

サッカーの試合の中で、唯一「手」で投げ入れる場面なので、「手」や「ボール」の汗や水滴などを拭き取ることが目的です。

つるつると滑ったら飛距離が出ませんし、滑った瞬間にとっさに手が反応して変な動きをするかもしれないので怪我のもとになります。

ところが「スローイン」にはアディショナルタイムの適用がありません

投げ入れるまでに時間がかかれば、それは試合時間が減っていくことに繋がります。

拭いている時間を「もったいない」「早く投げて」と思う人もいます。

また、ピッチの外にタオルを置いておかないと、すぐに拭き取れません。

ただしどの地点でボールがラインを超すかわからないので複数の場所にタオルを置く必要が出てきます。

タオルなどがピッチのそばに置いてあると、ラインの際を走っている選手の目にははいるので、「邪魔だ」という苛立ちや走りにくさが発生するかもしれません。

雨の日などはタオルが濡れてしまうのでタオル自体をビニール袋にいれる必要があるでしょう。

ビニール袋に入ったタオルがピッチの外に点々と置いてあれば、際で走る選手の中には気になる選手もいるかもしれません。

当然自分のチームの前に置かれることもあるので、ずっと試合中そのタオルの存在が嫌だと思う人もいるかもしれませんね。

ファンもその点が気になって「タオルで拭く行為をやめてほしい」という発言につながっていきます。

タオル利用はルール違反?

ルール違反ではありません

タオルで拭くことも、タオルを置くこともルール上問題はありません。

イングランドの二部ではロングスロー時にタオルを拭くことが2023年に禁止になりました。

こういう論争が続けばルールが変わるということもあるかもしれませんね。

タオルでボールを拭く行為が与える影響

もともとJリーグで「ロングスロー」を戦略として多用するチームがいなかったこともあり、ロングスロー自体が多くのファンの目からは異質なものに見えました。

ボールがタッチラインを超えることは1試合中に何度もあるので、そのたびにロングスローをしていれば、不快に思う人にとっては「まただ」と思う気持ちが出ることもわかります。

全国高校サッカー選手権大会においては、青森山田高校がロングスローを得意としています。

そのため、「高校サッカーみたい」という方もいます。

タオルでボールを拭く行為が、「時間稼ぎ」「時間の無駄」などと時間を浪費する行為として嫌がられることにもなりました。

タオルで拭くためにタオルをピッチの外に点々と配置することについても、「邪魔」「危ない」「見た目が悪い」などと言われる原因にもなりました。

J1町田についての批判

新参者に対する冷ややかな待遇?

2024年J1に昇格したFC町田ゼルビア

J1リーグ初挑戦ながら、9月の時点では3位に食い込んでいます。

しかしJ1初心者とも言える一年目の町田に対して、世間の目や批判の言葉が多い印象があります。

チームのプレーに関する批判監督の言動に関する批判

「出る杭は打たれる」といいますから、新参者が「出ない杭」であれば批判は少なかったのでしょうか?

出なければ出ないで「ほらみたことか」と言われる対象になるものです。

批判の多さは、注目の多さに比例します。批判の対象となったのはどんな注目ポイントだったのでしょう。

「勝利」にこだわる新しい感覚の監督

FC町田ゼルビアがJ1リーグに昇格する前年、監督が変わっています。

前出の全国高校サッカー選手権大会で大活躍している青森山田高校のサッカー部の監督を28年間努めた黒田 剛(くろだ ごう)監督です。

つまり、J2だった町田を監督就任1年でJ2初優勝させ、J1リーグへ昇格させたということです。

プロを経験していない黒田監督数年前まで高校の教師だった監督について、まわりは冷ややかに「お手並み拝見」という状態だったと思いますが、1年経ってみたらとんでもない実績を叩き出したわけです。

黒田監督

勝ちに厳しくこだわる

効率的な事前準備をしたミーティングを行う

選手たちを奮い立たせる言葉の力を持っている

マネジメント力が高い

勝利から逆選した戦略を立てられる

という監督力があると言われています。

監督になった最初の年にはJ2だった町田のちからを底上げするために、選手の入れ替えなどを積極的に行いました。

スタッフ陣も3分の2を新メンバーにしたそうで「もはや違うチーム」と言われる程の変化に、批判が集まったといいます。

主力選手を引き抜かれたチームのファンは困惑して「町田に盗られた」という感情も湧いたそうです。

このとき黒田監督は「強奪と言われているけれど、ちゃんとクラブ間で交渉して移籍金も払っているのに」と、多くの選手を引き抜いてチーム強化したことに触れています。

1年でチームを優勝させ昇格させたことへの大絶賛とともに、やり方に対しての猛烈な批判が起きたということです。

ルール違反はしていなくても

  • フリースロー時にロングスローを行うこと
  • ロングスローの前にタオルでボールを拭くこと
  • ボールを拭くためのタオルをピッチの外にいくつも配置すること
  • スタッフを入れ替えること
  • 強い選手を引き抜いて強いチームを作ること
  • 自分のチームの正当性を抗議したり、発言したりすること など

J1町田の選手や黒田監督が行っていることはすべてルール違反には当たりません

しかし、毎回のように猛烈な批判が起こります。

「悪役」のイメージがついてしまったような。

悪いものはやっつけたい、悪は叩いていいという人の持つ感情が見える気もします。

いいとか悪いの視点がもちろんあるからこそ、「それはちがうのではないか?」と違和感が起きて批判へとつながると思いますが、好きとか嫌いから起こるものの見方も中にはあるかもしれませんね。

ルール違反には当たらなくても、一部の人が「嫌だ」と思うことを「チームの勝利」「正当性」を盾に行うことで、人の感情を逆なでしてしまったのかもしれません。

まとめ

この記事では

ロングスロ―の際に利用されるタオルについての物議」や、

J1町田に批判の声があがっているのはなぜか」という点について、お伝えしました。

結論は

ロングスローの際にタオルを使用することについてルール上違反にはならない

タオルを使用すること、配置することを嫌がっている人が存在し、そこから批判や物議が生まれているということです。

また、J1町田に批判の声が上がる理由として

黒田監督の「やり方や発言に対して不満を持つ人たち」が「不満の感情を強く伝えている」こと。

監督やチームが「J1リーグの新参者」だったのにもかかわらず「思っていた以上の偉業を成し遂げた」ために「反感を買った可能性」もあること。

その戦略が斬新すぎるので戸惑ったものの好意的に受け取れず、「悪いもの」の認定が下ったかのように、悪者退治をするような風潮ができてしまったこと。

などがあげられます。

「ルール違反でなければ勝利のためにしたことは戦略にあたる。問題ない。」なのか。(欧米的ですね)

「人の感情を逆なでするような戦略は観ている人たちを不快にするので控えたほうがいい。」のか。(日本的ですね)

フェアプレーの精神に乗っ取り、それでも勝利を目指さなくてはいけないので監督もチームも大変だとは思います。

試合を楽しみにしているファンのためにも、観ていて気持ちのいいものになるといいですね。

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