最近、驚くべきニュースを目にしました。これまで防犯カメラといえば「事件が起きた後の証拠」として使われるのが当たり前でしたが、今は「事件が起きる前」にAIが察知する時代になっているそうです。
SF映画の話のようですが、実は日本国内でもすでに実用化が進んでいます。今回は、私たちの安全を守る最新技術と、自分たちの身を守るための「防衛リテラシー」について考えてみたいと思います。
1. 骨格や「微細な振動」まで見抜くAI技術
最新の防犯システムは、単に映像を録画するだけではありません。AIがリアルタイムで映像を解析し、人間には気づけないレベルの変化を捉えています。
- 「骨格」で見分ける行動解析
人間が不審だと感じる「うろつき」や「のぞき込み」を、AIは関節の動きや歩幅などの骨格データとして数値化します。万引きや侵入の予兆となる不自然な動きを、高い精度で検知できるそうです。 - 身体の「微細な振動」を捉える(オーラAI)
人間が緊張や殺意を抱いたときに生じる、自律神経の変化による目に見えない筋肉の震え。これをカメラ越しに解析し、最短3秒で不審者を特定する技術(DEFENDER-Xなど)も登場しています。
2. どこの国で、いつ頃から使われている?
実は、この分野のパイオニアはロシアと日本です。
- 始まり
2000年代後半、テロ対策が必要だったロシアの企業が「振動解析」の基礎技術を開発。2014年のソチ五輪などで大々的に使われ、その効果が世界に知れ渡りました。 - 現在の主要国
日本、中国、アメリカ、イギリスなどが積極的です。- 中国: 膨大なカメラと顔認証を組み合わせた「天網」システムが有名です。
- 日本: 2010年代後半から「アジラ」や「VAAK」といったスタートアップ企業が、精緻な画像解析技術を武器に実用化を加速させました。
3. 日本国内での「モデルケース」
すでに私たちの身近な場所で、これらのAIは稼働しています。
- 駅・鉄道
JR東日本などが、駅構内での「うろつき」「置き去り不審物」「暴力行為」の検知に導入しています。 - 小売店
大手コンビニやドラッグストアで、万引きの予兆(棚の前での不自然な停滞など)を検知。店員のスマホに「お声がけ推奨」のアラートを飛ばす運用がされています。 - 自治体
東京都足立区や愛知県豊田市などで、公園や通学路の安全確保のためにAIカメラを設置する実証実験が行われています。
4. 導入にはどれくらいの「予算」がかかる?
もし、自分の住む街の特定のエリア(繁華街や通学路など)に導入する場合、どれくらいのコスト感なのでしょうか。規模によりますが、一般的なイメージは以下の通りです。
| 項目 | 費用感(1拠点・数台の場合) | 備考 |
| 初期費用 | 約50万 〜 200万円 | カメラ代、設置工事、AI設定費 |
| 月額費用 | 1台あたり 5,000円 〜 3万円 | AI解析のクラウド利用料 |
自治体レベルでは、例えば防犯カメラ500台の増設に約2,000万円といった予算が組まれる例もありますが、その多くはまだ「録画」がメイン。
高度な「予兆検知」を全域に広げるには、さらに大きな予算が必要になりそうです。
5. 「不審者が現れやすい場所」の共通点
技術を優先的に入れるべき、あるいは私たちが注意すべき場所には共通点があります。
- 「死角」と「逃げ道」がある場所
高い塀がある公園の隅や、裏通りに面したマンションの入り口など、犯行が目立たず、すぐに逃げられる場所。 - 「人混み」と「孤独」が同居する場所
ターミナル駅の広場など。大勢に紛れやすく、かつターゲットを物色しやすい場所。 - 「下見」が自然に見える場所
住宅街の公園やコンビニの駐車場。長時間いても不自然でないため、空き巣などが下見に使いやすい場所です。
監視か安心か?自分たちの「防御リテラシー」
AIがやろうとしていることは、私たちが日常の中で感じる「あれ? 何かおかしいな」という直感を数値化しているだけなのかもしれません。
私自身、仕事や生活の中で多くの方と接してきましたが、言葉に出さなくても、不安や焦り、あるいは子供たちの小さな変化というのは、必ず視線や指先の動き、立ち居振る舞いに現れるものです。
犯罪を企む側は「下見」に来るといいます。その時、街の人から「おかえり」「こんにちは」と声を掛けられたり、大人が子供たちを見守っている姿を目にするだけで、「この街はやりにくい(犯罪を起こしにくい)」と感じ、抑止力になるそうです。
最新のシステムが街を静かに見守り、私たちは私たちで、お互いを緩やかに気にかけながら歩く。監視という圧迫感ではなく、そんな「何重もの安心」が重なり合う街であれば、もっと自由に日常を楽しめる気がしています。
あなたの大切な人と自分をまもるために、注意すべき場所のチェックはしておいてくださいね。

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