「室井慎次 敗れざる者」 がついに公開となりました。
この記事では映画を観た感想を、若干のネタバレを含めてお伝えします。
ほんのちょっとでも内容を知りたくない方は映画を観てからお読みください。
※10月15日 「生き続ける者」予告映像が発表されたので、追記しています
来場者プレゼントはなし
映画は時々「シール」などのグッズがプレゼントされるときもありますね。
今回は来場者プレゼントはありませんでした。
予習は必要でした
序盤から最後まで、「踊る大捜査線」のあの時のあのシーン!を思い出させる「セリフ」や「小物」「人物」が登場します。
それは懐かしのシーンの切り抜きだったり、あの時の人と年月を経て再会したり。
特に「レインボーブリッジを封鎖した事件!」として秋田でも室井さんがいろいろな人に声をかけられるシーンがあります。そのときには「レインボーブリッジを封鎖できなかった映画ってどんな内容だっけ??観ておけばよかった!」と思いますね。
また、過去に逮捕した殺人犯の娘がでてくるため、「その時の犯人(小泉今日子さん)のでていた猟奇殺人の映画はどんな内容だったっけ??」と映画中に思うことになるので、こちらも観ておくのがおすすめです。
加えて言えば、和久さん(故いかりや長介さん)や懐かしいメンバーのシーンもたくさんでてくるので、ドラマの方もひと通り知っているほうが、そのシーンを観た時の感動が違います。
小泉今日子さんのでている映画は「踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!」
レインボーブリッジを封鎖できなかった映画は
「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」です。
映画冒頭部分の過去映像はこれが近いです↓
青島って誰なの?とならないために
踊る大捜査線を観たことのない人でも楽しめるように、映画の最初から青島や和久さん、若き日の室井さんや すみれさんなど。多くのキャストの過去の映像が流れます。そこが現在の室井さんの生活の過去の部分となって、一緒に回想できるので、観たことのない人でもある程度理解ができるようにつくられています。
映画のラスト部分にももう一度回想シーンがでてきて、今回の映画の中で「懐かしい人」「懐かしいもの」がなぜ懐かしかったのか過去の映像みせてくれるので、「なるほどー!」と思うことができます。
ただ、「青島」と「室井さん」の関係性や、あの時の約束などはある程度知っていたほうが最初から映画を楽しめるような気もしました。
踊る大捜査線のドラマの初回から室井さんはでているので、ぜひ所轄の青島刑事とキャリア組の警視庁の室井さんをドラマで予習してから観てほしいなと思いました。
これから映画を見る人のために(予習)
踊る大捜査線
1997年からフジテレビ系列で放送されたドラマ。火曜の9時枠。
舞台は東京お台場にある湾岸署。
★ドラマ放送当時は湾岸署というものは実際にはなかった。2008年にこの地域に警察署を新設する際に地元住民の名前の投票で「湾岸署」が一番多かったことから「東京湾岸警察署」ができた。
キャスト一人一人の人間性が際立つ、ヒューマンドラマといった作風でした。
青島
「青島俊作」 湾岸警察署刑事課強行犯係 巡査部長 主演 織田裕二さん
青島は織田裕二さんと同じ生年月日の設定でした。昭和42年12月生まれの設定なので、当時は30歳の設定。
警察に勤務する前はサラリーマンで営業職。
刑事らしくない言動で、熱くてまっすぐな青年。
室井さん
「室井慎次」警視庁 刑事部 捜査第一課 管理官(警視) 柳葉敏郎さん
警視庁のキャリア組。
青島と出会った頃は冷たくて被害者の家族にも冷たい態度をとることも。
青島や所轄の署員たちと共に行動するなかで、影響をうけ、次第に「本店(警視庁)」と「支店(所轄)」との壁を取り払いたいと思うようになる。
捜査をしたくても政治が介入してできないことや、所轄と本庁の間には見えない壁が存在すること。この壁を取り払って捜査員全員が信じたことをできるようにしたいというのが室井の夢となった。
この夢を後押しするように、青島が「組織の中でトップになって、それを実現してほしい」という希望を託す。
室井と青島は警察の組織を変えるという大きな目標に向かって頑張る約束を27年前(ドラマでは最終回)に交わした。
偉くなって現場の刑事が信念を曲げずに捜査ができるようにする。そう青島と約束したことを室井さんは今でも覚えている。そして、できなかったことを悔いている。
他のキャスト
「和久さん」湾岸署刑事課強行犯係 巡査長 故いかりや長介さん
→定年間際のベテラン刑事。青島に大事なことをたくさん教えてくれた恩人。
「すみれさん」湾岸署刑事課盗犯係主任 巡査部長 深津絵里さん
→男勝りな性格 脱サラして警察に入った青島よりも年齢は下だが警察官としては先輩。
ずっと「青島くん」と呼んでいた。
他にも多くのキャストがいます。
ぜひドラマを観て欲しいです。
青島の現在の部署は警視庁勤務!
映画の中で青島刑事が今どこの部署で何をしているかということを教えてくれるシーンがあります。
その部署は「警視庁 捜査支援分析センター」通称SSBCと呼ばれる本当に実在する部署になります。
この部署は防犯カメラの映像や電子機器の解析をすることと、プロファイリングをすること(手口などから犯人像を分析)をしています。
青島は警察に入る前はコンピュータシステムの開発会社「シンバシ・マイクロシステム」で営業マンをしていました。
営業マンとはいえコンピュータにある程度知識があるシーンも度々でてきていたので、きっとパソコン系得意なんでしょうね。捜査支援分析センターはぴったりかもしれませんね。
警視庁のキャリア組だった室井さんが秋田の県警で捜査のお手伝い。
湾岸署の所轄刑事だった青島が警視庁の捜査支援分析センター勤務。
立場が逆転しているような気もしてびっくりしました。
映画の後半で街中に防犯カメラが設置され、その映像から個人を特定していくシーンがあります。
そうなると、警視庁が秋田まできて捜査本部を立ち上げ、捜査をリードしているこの事件。
2部作後半の「生き続ける者」で、青島のいる分析センターがこの画像解析やプロファイリングにたずさわってくるのでは?と思うのです。
これだけ青島の存在感を感じさせる映画にしてくださった君塚さんは、ぎりぎりでも追加できるように青島のシーンを用意しているのでは?織田さん映画にでてくれませんか?まだ間に合うかも。
映画を観ていると、室井さんと一緒に青島のことをすごく思い出すんですよ。
今も元気で捜査しているなら、室井さんと一緒に「捜査して―な―」と言ってほしい。
27年前に青島は30歳だったので、今57歳のはずです。
今回の映画出演が無理ならば、定年間近の青島が、定年間近だった和久さんの年齢に近づいた青島が、後継を育てるようなドラマをやってくれないだろうか?と思う次第です。
いい意味で裏切ってほしい
2部作前半の「敗れざる者」では、猟奇殺人で無期懲役となっている囚人の小泉今日子。
その娘は「加害者の娘(犯人の娘)」として里子にだされ、室井さんが一時的に保護している状態。
彼女が家に来てから、おかしなことばかり起こる。
同じ境遇(加害者の息子)であるリクには、室井さんと仲が悪くなるようなことばかり言って、不仲をけしかける。
室井さんに叩かれた!と嘘を言う。
不在時に家中を物色して、室井さんの現役で活躍していた頃の黒いコートを取り出してハンガーにかけて眺めたり。ひきだしからマッチを取り出してみたり。
最後のシーンで小屋が火事になるときも、放火犯を思わせるようなシーンや薄っすらと笑みを浮かべる表情が満載。
ここまで来たら、「猟奇殺人犯の娘だし、遺伝子をうけついでいる。きっと面会で母親に洗脳されて、室井さんを罠にはめるためにやってきたんだ!何かをたくらんでいるはず!」と思ってしまいますよね。
町の人は(特に自治体のオジサマ軍は)「被害者の子どもならともかく、犯罪者の子どもを引き取るのは気に入らない」という趣旨のことを言っていました。
だから映画を観ている側にもそういう気持ちを徐々にうめこんでいく。きっと犯人はこの子だ!と。
ただね。
室井さんの想い。現代のしっかりした倫理観。コンプライアンス。
いろんなことを踏まえると、「加害者の子どもが事件をまた起こす」という最悪のシナリオを君塚さんが書くとは思えません。
例えば。
娘は最初に現れたときからとても傷ついていた。疑いや恨みや妬みや悲しみや苦しみを抱えて生きてきた。それが室井さんの人柄にふれて、徐々に傷ついた心が癒えていく。
でもその時には周りの人は自分のことを犯人だと思い、誰も信じてくれなくなる。
ただ一人室井さんをのぞいては。
という展開で、娘は本当は傷ついていただけで、犯罪を起こそうと思ってやってきたわけではないということにしてほしいです。
じゃあ犯人はだれ?
犯人の目的は?
となる展開を期待します。
室井さんがリクに「なんでもすぐに疑うのはよくない」と言うシーンがありました。
これが伏線となっているのか。
室井さんはその娘を疑わないという信念があるのではないかなと思いました。
室井さんは心筋梗塞?狭心症?
映画の途中で室井さんが大きなストレスを抱えた直後に、息苦しくなり胸を抑えてしゃがみ込むシーンがあります。
しろうとめに見ても、「心筋梗塞」や「狭心症」の発作では??とおもうような症状でした。
2部作後半の予告(映画終わったあとに予告が流れます)に、病院で診察をうけているシーンがありました。
室井さんの生まれは昭和39年の1月なので、現在60歳。次の1月で61歳になる設定ですね。
細身だし自炊だし、不摂生をしているような感じはしないのですが、毎晩飲んでいるイメージはありますね。強いお酒をロックで。
さらに長年ストレスにさらされていたのなら血管が疲労していてもおかしくないのでしょうか。
まだ若いから、そういう悲しい状況にならないでほしいです。
怖いシーンはあまりない
警察もののドラマには怖いシーンがつきものですよね。
それば劇場版となれば過激なシーンがでてくる想像ができます。
けれど、この「敗れざる者」は、直接的な怖いものは映りません。
想像力を働かせて「怖い」と思わせる描写はありますが、視覚に働きかけて怖い映像が脳に残ってしまうようなシーンはありませんでした。
そういうものが苦手な人でも観られる映画かもしれません。2部作の前半においては。
観た直後の感想
観る前は「主役の青島ではないのに2部作ってとても強気だな」と思ったのが本音でした。
織田裕二は出ないという前情報を元に見に行ったので、あまり「青島」の存在感に期待はしていませんでしたが、観てみると始まってすぐに青島が現れます。
もちろんそれは過去の映像として、なんですが。
なんていうか、室井さんの記憶の中の「青島」そして、私達の記憶の中の「青島」が一致するんです。
そうそう!そんなことあった!というふうに。
そして、現在の室井さんがちょこちょこと過去のことを思い出しながら、今を一生懸命に生きている。
あの時の青島との約束を守れなかったことを本当に律儀に申し訳ないと思いながら、今やれることを必死にやっている。そして、それはなかなか困難でもある。
事件が起こることで、警察に協力しなくてはいけない状況になり、やがて青島の今を知ることになる。
室井さんの記憶の青島が今に上書きされる瞬間。私達も「今」の青島を更新する。
それは本当に、時間が経過したんだという感覚とか、今はそこで頑張ってるんだ!という嬉しさ。
なんというか色んな感情が込み上げて来ます。
2部作の前半では青島の気配は感じながらも、秋田にいる室井さんは青島に会うことはありませんでした。
でも、東京で、警視庁で、仕事をしている青島を容易に想像できる。
なんだか「警視庁」と書いてあるヘリに乗って、あの緑色のコートを羽織ってひょっこり秋田に現れるんじゃないかと思ってしまう。
そんな感想を持ちました。
2部作後半の「生き続ける者」に登場シーンを期待してはだめですかね?
↓敗れざる者のまとめシーンで観終わったあと一番イメージに近いのは予告2️⃣(個人の感想です)
2部作後半「室井慎次 生き続ける者」※10月15日追記
10月15日「生き続ける者」の予告映像が発表されました。
すでに映画館などではビジュアルチラシなどはでていましたが、予告映像はエンドロールのラストでしか観ることができなかったので、「待ってました!」ですね。
映像は2種類あります。「予告」と「特報」
どちらも1分30秒。
室井さんのセリフ「家族でいる時間には限りがある」
キャッチコピーは「そして、君たちを、信じる。」
ストーリーの予想、いろいろと考えてしまいますね。
敗れざる者を観ていない人は「予告」がいいと思います。2部作前半のシーンも多くでてくるので。
敗れざる者を観た人は「特報」がしっくり来るかもしれません。
どちらも作りが素晴らしいですよね。さすがです。早く続きが観たいです。
まとめ
この記事では映画を観た感想を、若干のネタバレを含めてお伝えしました。
今回は映画館来場者プレゼントはありません。
踊る大捜査線を観たことのない人でも楽しめるように、観たことのない人でもある程度今までの流れが理解ができるようにつくられています。
ですが余裕があれば映画の前に過去のドラマや映画を見ておくのがオススメです。
小泉今日子さんのでている映画は「踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!」
レインボーブリッジを封鎖できなかった映画は
「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」です。
2部作の後半は「室井慎次 生き続ける者」11月15日金曜日公開です。待ち遠しい。
「生き続ける者」の予告は現時点では「敗れざる者」のラストでしか観れません。
エンドロールの最後まで観てくださいね。
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