※1/27土曜日 小児科にて指の傷について聞いたことを追記しています
最近恐ろしい報道を目にしました。
子供がかかることが多い溶連菌、実はとても怖い病気だったんです。
この記事では、溶連菌感染症についての基本情報と、初期症状などについてお伝えします。
溶連菌感染症
のどが痛くなる病気
病気にはざっくり分けるとウイルスによるものと細菌によるものがあります。
溶連菌感染症は細菌による感染症になります。
どんな細菌?
溶血性連鎖球菌という細菌。
溶連菌感染症として一般的に言われているものはA群溶血性連鎖球菌という細菌です。
かかりやすい人は?
こどもです。幼児から小学生くらいがかかりやすいと言われています。
ただ乳幼児や中学生くらいでもかかることがあり、まれに大人でもかかります。
主な症状は?
喉の痛み、のどが赤く腫れる、咽頭炎、扁桃炎、発熱、小さくて紅い発疹、下にいちごのつぶつぶのようなもの(イチゴ舌)、リンパが腫れる、腹痛、嘔吐など
治療は?
抗菌薬を5日~10日ほど服用
薬を飲むと2~3日で回復してきます。発疹が出ていた場合には皮がむけてきます。
薬を飲んで24時間経つと、感染力がなくなります。
感染経路は?
主に、飛沫感染/接触感染です。
マスクや手洗いうがい、消毒で予防することができます。ドアノブや手すり、スイッチなどの共用部分に触れたときには、手洗いや消毒をするのが賢明です。
咳や鼻水はほとんどでないので、家族間でも予防が可能ですが、咽頭炎や扁桃炎を引き起こした時はのどにいる溶連菌を咳でばらまいてしまうので、飛沫感染もおこります。
また同じタオルの使用などは接触感染のもとになります。
溶連菌の初期症状は?
発熱とのどの痛みから始まります。
発熱は38度~39度で、微熱ではありません。
小さなお子さん(乳幼児など)は熱が出ないことがあります。
溶連菌かなと思ったら
小児科か内科を受診してください。
検査は綿棒でのどの奥をぬぐいとる検査ですので、すぐにできます。
初期に投薬をすることで重症化を防げます。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
元々は溶連菌感染から
溶連菌に感染した時、細菌の感染が飛沫感染や接触感染ののど部分だけで収まらず、傷口などから体内に菌が入ってしまうことがあります。
感染時に手足に傷等があった場合、血液や粘膜を介して体内に入りこむんです。
普段細菌が存在しない血液や粘膜に細菌が入ると、急激に症状が進行して重篤になることがあります。
この、溶連菌の菌が傷口などから体内に入り込み、急激に症状が悪化して重篤な症状を引き起こすものが「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」で『人食いバクテリア』と呼ばれている感染症です。
かかったらどうなるの?
痛みや発熱などの症状がすぐに出て、急激に様々な病状が進行します。発病から症状の進行が急激で劇的なため、「劇症型」と呼ばれます。
初期症状は?
身体の痛みが急激にはじまります。特に手足の痛みがおこり(傷口の近くが一番いたむ)、発熱が多いそうです。下痢や倦怠感を起こすこともあり、初期症状ではインフルエンザのような症状と間違えやすいそうです。
発熱が最も多いようですが、ごくまれにショックによる低体温を起こす人もいます。
錯乱(さくらん)状態や低体温などが起こることもあるようです。
人によって症状が違うので、違和感を感じたらすぐに病院へいかないと手遅れになってしまいます。
その後の重い症状が怖い
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の怖いのは、急激に症状が悪化して亡くなる率も30%と高いためテレビやインターネットでは「人食いバクテリア」とも呼ばれる所以です。
菌が増殖して足などを切断することもあります。下肢の組織が壊死することも原因ですが、壊死にいたった部分というのは菌が特に多く生息している病巣の部分でもあるので広範囲に取り除く必要があるんです。
発病してから数十時間以内には、急性腎障害や多臓器不全を起こしたり、血圧を維持できなくなり輸血が必要となることもあります。
どういう人がかかる?
持病などがなくて、元気な人でも突然発病する病気です。
30代以上が多いですが、稀に子供でもかかります。
一番の特徴は、傷口から菌が入るという傷口感染が多いこと。
体調に劇的な悪変が起こった時、インフルエンザのように急に発熱などが起きた時に、傷がなかったか、その傷に紫色などの変色や水疱が起きていないか、その部分が激痛を起こしていないかなども判断材料になると思います。
予防策は
傷を作らないことです。
指先が乾燥する時期では、あかぎれなどでパックリと割れることがありますね。
また、爪を切る時に爪の端が切りきれていなくて、最後の部分を指でひっぱったら思いの外皮膚がちぎれてしまって、爪の中が少し切れた、なんて経験ありません?そういうの危険です。
小さなキズ。切り傷、引っかき傷、ささくれ、かさぶたを剥がしてしまう、、、など。
些細な傷が侵入経路になる病気なので、傷を作らないように、できてしまった傷は薬や絆創膏で覆うなどの工夫で、傷を清潔に保つことが必要です。
※1月27日追記
今日子どもが風邪気味で小児科に行き、ちょうど指先に傷があったので「こういう傷が溶連菌の菌と出会うと危ないですか?」と聞いてみました。
先生は「かなり稀なケース」と前置きしつつ「軽い傷なら以前処方した『リンデロン』、化膿しそうだとおもったら『ゲンタシン』を塗って、絆創膏などで覆う。薬がなければ病院へ。薬があっても悪化しそうならすぐに病院に行くこと。」と教えてくれました。
今回はその場で「リンデロン」を塗って傷のパットを貼ってくれました。「はい大丈夫!」
お医者さんに言ってもらえると安心感が半端ないね。
まとめ
溶連菌感染症と劇症型溶血性レンサ球菌感染症についての、基本情報と初期症状、予防法などをお伝えしました。
とにかく、マスク着用・手洗い/うがいで、「溶連菌感染症」の感染を予防して
傷口を身体に作らないことで「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の予防をしてください。
初期症状は、
「溶連菌感染症」は「のどの痛み」「発熱」で疑ってみてください。周りに溶連菌患者がいないかということも重要です。
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」については急激に進行するので、あれ?風邪かな?インフルかな?と思っているうちにどんどん悪化して、、、という時、身体に思い当たる傷口があったら。
迷わず医療機関に相談してください。感染症内科が担当ですが、探すのが困難なことが多いので、とにかくまずは電話で相談してください。
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必ず予防策があるのであまり怖がらずに、でも正しく予防して防いでくださいね。
参考文献:国立感染症研究所
国立感染症研究所HP劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは
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